電車でつい、うたた寝をしてしまうのはなぜ?

安全な国ニッポンでは、電車で居眠りしている人をよく見かけます。気がついたら下りる駅を乗り過ごしてしまったという失敗は、多くの人が経験していることでしょう。
 私たち人間が電車でつい眠くなってしまうのは、脳の中で平衡感覚を感知する部分と、覚醒に関わる上行性網様体賦活系という神経系統のしくみが大いに関係しています。私たちの身体は、強く素早く揺れると、その情報が上行性網様体賦活系を活性化し、脳を覚醒させるしくみになっています。しかし、ゆっくり単調なリズムで揺れると、上行性網様体賦活系の働きが弱まり、自然と眠くなるようにできています。

 赤ちゃんなどが、ゆりかごで揺らされていたり、お母さんにだっこされてゆっくり揺らされていると眠りにつくのは、実はこうした脳のしくみと関係があったわけです。つまり、電車内は、一日の仕事を終えて帰宅途中の大人たちにとっての“ゆりかご”のようなもの。おまけに疲れていたり、アルコールが入っていたりすれば、ついうとうとしてしまうのは至極当然のことなのです。
 とはいえ、車内でぐっすり眠ってしまうのは、防犯上も、健康上も、あまり良いこととはいえません。ガムを噛むなど、自分なりの対策をとることをおすすめします。 イルチブレインヨガでは、体・脳・心のバランスを活性化させるブレイン体操、ブレイン瞑想を行っています。どうぞ、体感なさってくださいませ

(DIAMOND online 工藤孝文先生(福岡県みやま市の工藤内科)の最新刊『医者も驚いた!ざんねんな人体のしくみ』(青春出版社)より出展)

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